李洪千 准教授講演 ~日本のe-sports発展の鍵とは~

李洪千 准教授講演 ~日本のe-sports発展の鍵とは~

 8月1日に駐日韓国文化院(コリアセンター)にて、「2018年日韓コンテンツビジネスフォーラム  『eスポーツ元年』~韓国のe-Sports動向&日韓協業モデルの提案~」が開催された。

『eスポーツ(esports)』とは、「エレクトロニック・スポーツ」の略で、広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称である。今、このe-sportsは新たな雇用を生み出す産業として注目されている。

参考 一般社団法人日本e-スポーツ連合オフィシャルサイト(https://jesu.or.jp/contents/about_esports/)より

 本講演会は、日本でe-sportsをどのようにビジネスとして展開していくのかを議論するために行われ、韓国でのe-sportsの発展やそのビジネスモデルが紹介された。

 本学から社会メディア学科准教授の李 洪千(リ・ホンチョン)先生がスピーカーとして参加した他、Unidocsマーケティング長のハン・スンヨン氏、更には一般社団法人日本eスポーツ連合文化振興委員会委員長の筧誠一郎氏も登壇した。

 冒頭、李先生はインターネットとマスメディアの研究者として、メディアとe-sportsの歴史や関わりについて発表を行い、韓国におけるe-sports発展の歴史を紹介。「現在、韓国におけるe-sportsは国民のスポーツであり、今やその人気は野球やサッカーを抜く勢いである」と述べた。

 続いて、ハン氏は自らがプロゲーマー養成会社を運営している立場から、日本でのプロゲーマーの育成とそのマネジメント戦略について解説した。自らが手がける韓国でのe-sportsビジネスを例に挙げ、「e-sportsは企業がプロゲーマの育成の担い手になりマネジメントをしていくことで発展していくもの」と経験をもとに語った。

 筧氏は、現在日本の企業と連携してe-sportsをビジネス化しようとしている第一人者であり、その視点から、現在日本においてe-sportsが拡大されない理由が国を挙げての支援体制が確立していない点にあるとし、e-sportsの先進国である韓国からPCバーやゲームカフェといったコンテンツを導入することが日本のe-sportsビジネス発展の鍵になると述べた。また、日本のe-sports市場が韓国に比べて15年ほども遅れていることを指摘し、「自らが日本でのe-sports発展の先駆者となるために様々な活動を今後、展開していきたい」と語った。

日韓協業の話題とあって、大手企業の代表取締役社長や韓国コンテンツ振興院の方々が見学に訪れた。本学からも数名の学生が特別招待され、それぞれの講演者の話を食い入るように聞いていた。

登壇者の三人は今後日本がe-sportsを発展させていくためには「教育・企業連携・国の法整備、支援体制」が必要であるとの見解を示した。

現在世界中で発展が期待されるe-sportsは日本において、まだ知る機会も触れる機会も少ない。今回のイベントを機に日本のe-sportsビジネスが発展していくことを見守りたい。

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