第59回東京都市大学吹奏楽団 定期演奏会

第59回東京都市大学吹奏楽団 定期演奏会

 2025年12月26日夕刻、渋谷区文化総合センター大和田のさくらホールにて、東京都市大学吹奏楽団の第59回定期演奏会が開催された。スーツ姿の団員がステージに並び、金管楽器による力強く雄大なサウンドがホールを包み込んだ。

 来場者がパンフレットを手に入場すると、開演前にアンサンブルとして2曲が披露された。軽快なリズムと情熱的なメロディーが会場を温め、そのまま本編へとつながっていった。

 演奏会は全3部構成で進行した。

 演奏の様子

 第1部では「Scootin’ On Hardrock」、「さくらのうた」と「海の男たちの歌」が演奏された。

 「Scootin’ On Hardrock」は疾走感あふれる楽曲で、ドラムがエッジの効いたサウンドで全体を力強く牽引する。そこに木琴の演奏が加わることでスピード感がさらに強調され、楽曲の推進力が一段と高まっていた。加えて、トロンボーンの重厚な響きが厚みを与え、迫力のあるサウンドに仕上がっていた。

 「さくらのうた」は2012年全日本吹奏楽コンクールの課題曲で、現在も多くの演奏者に親しまれている楽曲である。6/8拍子の儚く穏やかな旋律が、満開の桜から散りゆくまでの美しさを情緒豊かに表現していた。

 続く「海辺の歌」では、いかりの音や波の音を思わせる表現が随所に盛り込まれ、情景が目に浮かぶような演奏が印象的だった。

 第2部はみんなに親しみのある楽曲で構成されており、原曲に加え、遊び心あふれるアレンジが施されている。まず、ジャパニーズ・グラフィティXIX『ザ・ドリフターズ』のメドレーが披露され、華やかに幕を開けた。フルートが先導する「ヒゲダンス」など、おなじみの楽曲が次々と演奏され、会場は大いに盛り上がった。

 続いて、アニメメドレーとして「おどるポンポコリン」「サザエさん」「ドラえもん」「勇気100パーセント」「ウィーアー!」が演奏された。高音・低音楽器の使い分けによる原曲の再現度の高さが印象的で、ドラえもんのぴょこぴょこ帽子をかぶった演奏者が登場するなど、会場の雰囲気を和ませる演出も見られた。観客の手拍子を促す場面もあり、クラシカルな吹奏楽とは異なる観客参加型の楽しさ・一体感が感じられた。 さらに、リトル・マーメイド・メドレーでは、海を感じさせる旋律とテンポで映画の世界観を巧みに表現。「パート・オブ・ユア・ワールド」では曲調が変化し、主人公アリエルの陸への憧れが伝わってくる演奏となっていた。特にフルートの音色は、繊細な心情表現を際立たせていた。

 第3部は、「ポップ・コピー」が演奏された。この楽曲は、軽快で晴れやかな旋律とリズミカルな展開が特徴で、聴衆を自然と引き込む力を持っている。演奏が始まると、会場の空気は一気に明るくなり観客の期待感が高まるのが感じられた。

 今回の演奏では各パートの音色のバランスがよく、音の繋ぎが非常に滑らかだった点が印象的だった。特に木管楽器の柔らかな響きと金管楽器の力強いサウンドが対比を生み、曲の持つポップで躍動的な魅力を十分に引き出すことができていた。また、打楽器がリズムの核となり、全体の一体感を支えていたことも、完成度の高い演奏につながっていた。

 アンコールとして、『ウィンターワンダーランド』が演奏され、バーチャイムの澄んだ音色とともにホリデーシーズンの情景を想起させる華やかなハーモニーが奏でられた。鈴の音がサンタクロースの来訪を告げるかのように、楽曲全体のアクセントとなっていた。

 演奏会終了後には来場者から「真剣さが伝わるよい演奏だった」などの称賛の声が多く寄せられた。友人の演奏を聴きに来たという来場者は、「普段の様子しか知らなかったから、とても新鮮だった」とコメント。また、「来年の演奏も楽しみ」と高い評価を残した。

25年度吹奏楽団団長の年光菜々美(としみつななみ)さんは「定期演奏会を無事成功させることができたのは、協力していただいた皆様のおかげであり、心から感謝しています」と述べた。また、「部員一人ひとりが積み重ねてきた練習の成果を発揮し、私たちらしい演奏を届けることができたと感じており、この演奏会が、聴いてくださった皆様の心に少しでも残るものになっていれば幸いです。」とも語った。

 次年度への期待も高まる中、演奏会は幕を閉じた。

演奏の様子

演奏の様子

演奏の様子

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