8月24日、東急自動車学校 四輪教習コースにてエコ1チャレンジカップ2019(主催:東京都市大学 協賛:日産自動車株式会社)が開催され、関東・長野県の15の中学・高校からエントリーした20台が、速さ、エネルギー効率、創意工夫を競い、熱い戦いを繰り広げた。開催から20年を迎えた今回は日産自動車を共催に迎え、新たな体勢でのコンペティションとなった。本学からも多くの学生がボランティアに駆け付けた。
初参戦となった長野県須坂創成高等学校創造工学科チームの「SSC(エスエスシー)」は、学内の課題で上級生が製作したマシンを参考に作成。大きなモーターを使用することで力強さを実現しつつ、本体を軽量化することで重量の課題を解決。勢いのある走りを見せた。
豊昭学園電気研究部の「Dyson’s」は鉄道高校としての特色を活かして、電車をモチーフに外装をデザイン。これは毎年恒例のこだわりで、今年は京急電鉄を模したデザインが採用された。技術面でも複数のモーターによる強化した加速力で会場を盛り上げた。
今年のエコワン1チャレンジカップを制したのは波崎高校機械工作部の「雷電」。これにより本チームは、エコ1チャレンジカップでの6連覇を達成した。チームのリーダーは「5年連覇してきた実績の重みに負けることなく優勝できて嬉しかった。ハンドルの動作や車体の部品レベルでの軽量化など、細部にこだわった結果だと思う。」と語った。特に重量については中学生と比較して、体重が走行に与える影響を考え、今後さらに軽量化を図る構えだ。来年度の大会にも期待が高まる。
本大会副競技長で本学所属団体機親会のOBでもある日産自動車の千原健史先輩は「日産自動車全体で社会貢献意識が高まっており、そのボランティア活動の一環として取り組むことができた。自分たちが得てきた学びを中高生にも経験してもらい、さらなる成長のきっかけとしてほしい。」と語る。
また、教職員実行委員長を務めた本学工学部機会工学科準教授の伊東明美先生は「参加者が楽しめることが1番。理工系の進路に進む学生を増やすためにも、科学に興味を持って取り組める潜在的な能力がある生徒さんに実践的な機会を提供していきたい。」と述べた。
中高生がマシンの構造や創意工夫について堂々と語る姿には取材に臨んだ記者も驚かされた。大学と民間企業が一丸となって中高生の長期的な学びの機会を作ることは、ものづくりの新たな担い手を育てていく上で大切な過程となる。今後も本学からこのような教育機会が提供されることを心待ちにしている。