第93回世田谷祭開催 JOY!NT

第93回世田谷祭開催 JOY!NT

 

 2022年11月5、6日に東京都市大学世田谷祭が行われた。93回目となった今回は『JOY!NT』のテーマのもと、各団体が力を合わせてつくり上げた。喜びや楽しみを意味する「joy」と接合用部品の「joint」を掛け合わせたこの言葉は、コロナ禍で失った学科や学年、課外活動団体の垣根を超えたつながりを再び取り戻そうという想いが込められている。また、キャンパスの合併に伴い、今年度から世田谷祭と等々力祭が合併されることとなった。それぞれの伝統を受け継ぎながらも、新たな仲間と共に未来への第1歩を踏み出した。初のハイブリット開催、4年ぶりに来場者を迎え入れての開催とあり、それぞれの団体からバリエーション豊かなイベント、企画が繰り広げられ、アフターコロナを印象づけるイベントとなった。

 5日のステージではデジタルコンテンツ、DJ嵐、TCUスプラトゥーン3ドラフト杯、sky tone、TCU Wind Orchestra、子どもの運動、Nonstopbombers、6バンド合同バンドフェスティバル、カラオケ大会など、その内容は多岐にわたり個性があふれるものとなった。6日はトシトーク、UPBEAT、殺陣、TOSHI ROCK FESTIVAL’22など洗練されたパフォーマンスが披露された。すべての団体にそれぞれの見どころがあり、日頃の活動の成果が発揮された会場は大盛り上がりであった。

 1号館、7号館では各団体のブースが多数設けられ、それぞれの特色を感じさせるバリエーション豊かな企画が観客を楽しませた。児童学科WORKSHOPでは、「水に浮かぶ絵」、「絵はがきを作ろう」など、体験型のワークショップが行われ、多くの親子連れが訪れた。特に、「絵はがきを作ろう」では野菜スタンプを用いたアートを体験することができ、レモンやオクラ、ブロッコリーなど、素材の形の面白さを感じながら製作できる企画が子どもに好評であった。この企画を行うにあたり、たくさんの野菜をスタッフが手作業で切り抜き、スタンプを作成したそうだ。児童学科の日頃の学びが活かされた、子どもと共に楽しめる企画であった。世田谷祭オリジナル企画の「10%しか完答できな~い?上級者向け間違い探し」では11B教室全体を舞台に、リアル間違い探しが行われた。全問正解で豪華景品プレゼントということで、多くの観客が参加した。本格的な間違い探しは子どもから大人まで、年齢問わず挑戦者を真剣にさせた。

 言葉をテーマにした企画も展開された。都市大アート企画『みんなで紡ぐ「言の葉」「言の木」広場』では、言葉に「触れる」体験を提供した。事前に幼稚園や内外部へ募った言葉や文を用いた展示品には、「言の葉」を貼り付けられる「言の木」や、各面に単語が貼り付けられた直方体ブロック群があった。開催期間中「言の木」はより豊かになり、ブロックは思いがけない言葉との出会いを演出した。都市大アート企画では幼稚園生の絵を募集・展示していたそうだ。来場者同士が間接的につながる様子は、今年度の世田谷祭テーマ『JOY!NT』の1つのかたちを示した。

 2日目の終わりには後夜祭としてビンゴ大会が開催された。世田谷祭を締めくくるイベントであり、会場は今までの後夜祭の中でも一番の盛り上がりを見せた。ビンゴ大会は今までの後夜祭と異なり、時間の都合上により後夜祭直前に予定されていたクイズコーナーを中止し、当選枠を増やしての実施であった。当選者には「星のミュージアム_ペアチケット」などの豪華景品が贈呈された。オフライン開催ということでビンゴ大会での盛り上がりを肌身で感じることができ、世田谷祭が開催されるまでの苦労を思い出しながら感動の涙を流す司会の姿も見られた。

 B地区では、世田谷祭と共にホームカミングデーが開かれ、卒業生が集まった。私たち新聞会のメンバーは機械工学科の白木尚人先生にお話を伺った。新10号館の新設に伴い、白木先生にとって家のような存在であった旧10号館が解体された。以前は同じ学科の研究室でもバラバラの場所にあったが、今回の新設により同じ場所に集まるという改善があった。工業系の工事は移転するのが大変であるため、改修の順番は1番最後であった。白木先生は、「世田谷キャンパスは狭すぎず広すぎず丁度良い広さであり、人と人との距離感も丁度良いと語った。また、寂しい気持ちもあるが変わっていかなければならない。建物は変わってしまうけれど、ふるさとである尾山台の地は変わらない」とも述べた。

 
 中夜祭は昨年に引き続きカラオケ大会を行った。THE TOKYO CITY TAKEと冠した今回は評価にAI採点と観客投票を採用、協賛企業の提供機材や放送会との連携体制もあり一層魅力的な企画に仕上がった。他ステージ企画と同様YouTube配信されたが、会場には多くの人が集まり1日目の終わりを共にした。観客に向けた1言アピールで参加者のユーモアや人柄が垣間見られるなど、参加者の選曲や歌唱後のコメントも見所の1つであった。

 閉祭式では、学生部長の飯島正徳氏により表彰式が行われた。世田谷祭において優れた企画、展示を行った団体へ以下の賞が授与された。学長賞は児童学科学生会、学生部長賞は航空研究部、後援会特別賞は鉄道研究部、古生物同好会、TAC、UPBEATだ。
 飯島氏は、「事故やけが等がなくて良かった。4年ぶりの対面開催でたくさんの人が集まった。学生たちの普段より活き活きとした姿を見ることができ、各自それぞれ記憶に残る発見があったのではないか。途切れかけていたものが引き継がれたことを嬉しく思うのと同時に、良い点悪い点をよく考え今後も引き継いでいってほしい」と、未来への期待も込めて感想を述べた。                                   
 世田谷祭実行委員の松重優理乃氏は「4年ぶりの対面開催でたくさんの方にご来場いただきたくさんの笑顔を見ることができた。各団体、学生が一体となって『JOY!NT』を達成できて嬉しい。対面開催を経験した者がないなかでのスタートだったが2、3年生を主体となり企画、運営を行った。等々力祭とも合併し、等々力の要素も加わりパワーアップした世田谷祭にすることができた」と述べ、世田谷祭閉祭式を締めくくった。

 今年の世田谷祭は初のハイブリット開催、4年ぶりに観客を迎えての開催、等々力キャンパス合併後初となる開催など、前例のない初めてづくしのイベントとなったが、様々な団体が協力し合い、最善を尽くすことができたと考える。これまでの伝統を継承しつつも新たなる学園祭の形を作ることができ、来年の開催に向けても大きな一歩となった。また普段は関わる機会のない学生同士が学園祭を通じて繋がることで、学生間のコミュニティが深まったのではないか。新たな要素が加わった世田谷祭が、来年どのような進化を遂げるのか期待が高まる。

第93回世田谷祭入口

児童学科学生会

UPBEAT

カラオケ大会

ビンゴ大会

イベントカテゴリの最新記事