第27回横浜祭 晩夏の彩り計画中

第27回横浜祭 晩夏の彩り計画中

 2023年9月、東京都市大学の多くの学生は夏休みを満喫している。ある人は旅行を楽しみ、ある人はインターンシップで将来を見据え、各々が求める明日に向かって学生生活を謳歌しているだろう。そんな中、9月17日・18日に行われる「第27回横浜祭」を目前に、一際汗を流して準備を進める学生たちに我々新聞会は目を向けた。

 東京都市大学の学園祭の1つに、横浜キャンパスで開催される横浜祭がある。今年の横浜祭は4年振りに完全対面開催が叶う。コロナ以来初めて模擬店が復活し、7000人の来場者を想定している。コロナ禍の横浜祭はオンラインからハイブリッドと形式を変え、未曾有のコロナショックに負けじと学内を盛り上げてきた。横浜祭実行委員会は失われた学生の活気を取り戻し、弾けるような、生き生きとした横浜祭にしたいという思いを込め、今年のテーマに「Dynamic」を掲げる。

 大規模なイベントには困難が付き物だ。規模の拡大と久方ぶりの本格開催にむけた準備や今回の横浜祭の見どころについて、横浜祭実行委員会を構成する3つの部署(管理・広報・企画)にインタビューに向かった。

 初めに伺ったのは施設、模擬店衛生、ステージの管理を担当する管理部である。管理部長の尾形駿さんによると、横浜祭準備の動き出しは昨年10月である。今回再開する模擬店の衛生管理に関して「引き継ぎは特になかった。過去の模擬店の出店データと他イベントでの運営経験を基に行っている」と述べた。加えて、「コロナ以前と同じ開催形式を試みても、衛生基準や大学側の認識も変化している。そのため過去のデータをそのまま使っても上手くいかず、時代に合わせて新しいものを作り出す必要があった」と語った。
 ステージを体育館に建設するのは初の試みである。液晶やモニターも設置し、「Dynamic」な空間を作り上げる予定だ。管理部は基本的に準備段階で活躍する。「目立った仕事ではないため人気はない。しかし、重要な仕事であり、横浜祭当日成果として実を結んだときやりがいを感じる」と語る。

 続いて広報部長の井上梓さんにお話を伺った。広報部の仕事はデザイン、リーフレットやポスターなど印刷媒体の作成、WEB広報管理、渉外など細かく分けられ、多岐にわたる。およそ30名の実行委員がそれぞれの仕事を担当し、連携し合う。
 取材時の直前期間はパンフレットの校閲作業に追われていた。今年は渉外担当から周辺地域とのつながりをつくることが出来、広報物の掲示や配布場所が増えた。「努力を重ね、完成したものがやっと世に出て反響を得たとき、やりがいを感じる」と語った。
 広報部の見どころは再三再四にわたる確認を経て完成したパンフレットである。当日は是非見やすさに注目していただきたい。もう1つは、広報部がデザインを担当した正門前の横断幕だ。来場者にとって当日目にする1番初めの広報物になる。

 最後に横浜祭実行委員会会長であり企画部に所属する山崎莉奈さんにお話を伺った。企画部ではお笑いライブなど大きなイベントから教室企画まで全てを担当する。概要案の意見交換を行い、他部署へのプレゼンを通し企画の周知と研磨に励んできた。企画部最大の困難は、企画が本番直前まで目に見えた成果にならないことだ。直前期間にはリハーサルを行い、フィードバックを繰り返す。山崎さんは「企画が少しずつ形になり、改善されていくことにやりがいを感じる」と語った。
 今年は地域のお祭りで好評を博したフォトスポットを横浜祭でも制作した。山崎さんは「ぜひ写真撮影を楽しんでほしい」と呼びかける。フォトスポットの顔抜きパネルには横浜祭公式キャラクターのエール君、レーヴェちゃん、合作した学生団体連合横浜分室のキャラクターであるアクセスちゃんが並ぶ。参加者がテーマである「Dynamic」を感じられるよう、企画には要素が盛り込まれた。山崎さんは最後に、「すべての企画が盛り上がっている。横浜祭実行委員のみんなの頑張りを見てほしい」と来場者に向けてメッセージを送った。

ー夜空に優しく煌めく、3年生の思い

  横浜祭実行委員会の3年生はなんとわずか5名である。活動に制限や変化が多く人数が集まりにくかった中で、苦楽を共にした3年生の絆はとても深い。横浜祭最終日後夜祭のさらに後、そんな3年生の「Dynamic」な企画が夜空を飾る。それはスカイランタン®に願いを書き込み空へ浮かべる「スカイイルミネーション」である。
 3年生は元々フィナーレに打ち上げ花火を企画していた。だが花火は実現せず、代案として「スカイイルミネーション」企画が挙がったのは横浜祭直前、開催1ヶ月前であった。その日のうちに千葉県へ赴き、スカイランタン®によるライトアップのイベントを下見すると、1日で企画書を書き上げた。「3年生のスピード感と実行力があってのものだ」と山崎さんは誇らしげに語る。横浜祭への情熱を体現したともいえる「スカイイルミネーション」。3年生の家族のように厚い絆と切なる思いは、横浜の夜空を照らし、後輩たちを明るく導くだろう。

 炎天下の中、横浜祭の準備が着々と進んでいる。学生は大きな変動をものともせず、原動力にしている。また、少ないながらも逞しく先導する「Dynamic」な上級生の姿がそこにあった。この勇姿は間違いなく後輩たちの胸に刻まれているだろう。いよいよ始まる横浜祭、これに行かずして今年の夏は終われない。

第27回横浜祭ホームページ

7月授業期間中の全体会の様子
スカイイルミネーションに使用されるスカイランタン®
管理部長尾形駿さん
体育館ステージリハーサル作業の合間に
左から広報部長井上梓さん
当日大学を訪れていた前回会長井上優太さん
第27回横浜祭実行委員会会長山崎莉奈さん

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