2024年12月25日、川崎市民プラザで東京都市大学吹奏楽団の第58回定期演奏会が開催された。定期演奏会は団員にとって1年間の活動の集大成である。今年度も多くの観客が会場に足を運び、温かな雰囲気の中行われた。
演奏会は、開演前のアンサンブル演奏から始まった。「AMERICAN PATROL」と「ブエノスアイレスの春」の2曲が披露され、軽快なリズムと情熱的なメロディーで会場を魅了した。続く本編は3部構成で進行した。
第1部では、「ワシントン・ポスト」、「天国の島」、「たなばた」の3曲が演奏された。明るく華やかな行進曲から始まり、繊細で幻想的な旋律が観客を引き込む構成であった。
第2部は、映画音楽やメドレーが中心で、「千と千尋の神隠しメドレー」、「ファンティリュージョン」、「交響組曲パイレーツ・オブ・カリビアン」、「レ・ミゼラブルセレクション」の4曲が披露された。馴染み深い楽曲が会場を彩り、特に「パイレーツ・オブ・カリビアン」と「レ・ミゼラブル」の力強い演奏には、観客から大きな拍手が送られた。
第3部では、「ドラゴンの年」が演奏された。この曲はリズムや拍子が複雑で、練習に苦労したと語る団員も多かったが、息の合った演奏と迫力ある音色が見事に表現された。団員たちの努力と技術の高さが感じられる演奏であった。
アンコールでは、クリスマスソング「そりすべり」と、「サンバ・エキスプレス」が披露された。軽快で明るい演奏により、会場全体が盛り上がりに包まれた。
(演奏の様子)
演奏会後、来場者からは「凄くかっこよく、練習を重ねてきたことが伝わってきた」など、多くの感想が寄せられた。友人のOG出演を応援に来たという来場者は、「選曲が親しみやすく、特にジブリ作品のメドレーが印象に残った」とコメント。さらに、「指揮者の表情や団員同士の息の合った演奏が舞台の魅力を引き立てていた」と高く評価していた。
団員へのインタビューでは、パーカッション担当の福嶋萌恵さんが「ドラゴンの年は特に難しく、リズムの取り方に苦労したが、他のメンバーとの連携を大切にし練習を重ねた」と振り返った。「まだ終わった感覚はしないが、ふとしたときにステージが頭に浮かび、やり切ったんだという思いが湧き出てくる」と語った。また、トロンボーン担当で次年度団長の年光菜々美さんは「学業との両立で全員が揃う機会が限られていたが、その分個人練習やパート練習を重視し、合奏の時間をより有意義にできた」と述べた。さらに「『ドラゴンの年』での一体感は、1年間の努力を象徴している」と強調した。
2024年度団長の村石和音さんは挨拶で「今年は多くの団員とともに充実した活動ができたことに感謝している」と述べ、来場者や支援者への感謝の意を表した。また、吹奏楽団の今後について「『みんなで演奏を楽しむ』という気持ちを忘れず活動を続けていきたい」と語った。
次年度への期待を残し、演奏会は幕を閉じた。
(リハーサルの様子)
(演奏の様子)
(演奏の様子)
(リハーサルの様子)