【経友会】出会いと縁をつなぐ学びの場───学生と卒業生が学び合う「エビ会」

【経友会】出会いと縁をつなぐ学びの場───学生と卒業生が学び合う「エビ会」

実践を通して学びを深める—。本学には、授業の枠を超えた自主的な学びの場がある。その名は「エビ会」。本学の卒業生である経友会・海老沼利光(えびぬまとしみつ)会長の呼びかけにより、学生と卒業生がつながり、互いに学び合う場として9年にわたり活動を続けている。


自主ゼミから始まった学びの場

 エビ会は、2016年に本学の世田谷キャンパスで非常勤講師を務めていた海老沼会長と、当時の学生・有馬秀太(ありましゅうた)氏との会話をきっかけにスタートした。講義の内容に関心を抱いた有馬氏の「もっと話を聞きたい」という言葉に応える形で、自主ゼミのような活動が始まり、やがて継続的な学びの場となった。

 活動のモットーは「出会いと縁」、そして「経験工学」だ。経験工学とは、実践の中で得た知見を他者に伝え、次の世代の学びに生かすという考え方である。まさに、現場で得た経験の価値を学生たちと共有しようという姿勢が根底にある。

学生主体で創る学び

 エビ会の活動は、学生の自主性を重視している。現在の主な活動内容は、海老沼会長が提案する複数の講義テーマの中から、学生が関心のあるものを選び、それに沿って学ぶという形だ。こうした形式は、学生と海老沼会長が試行錯誤を重ねる中で生まれたものである。

 最近取り上げられたテーマには、「AIを活用したタイヤの構造について」など、実社会と結びついた先端的な内容がある。また、経友会出身者が勤務する企業への工場見学なども実施し、学外での学びの機会も充実している。

▲学生が関心を抱いているテーマに沿って講義が行われる。

▲講義で使用された関連書籍

▲経友会会員が勤めていた企業にて工場見学が行われた。

学びを支えるネットワーク

 エビ会の参加者は、主に理工学部知能情報工学科や環境学部環境経営システム学科に所属する、学びに意欲的な学生たちで構成されている。活動の運営を担うのは学生であり、海老沼会長はあくまでサポート役に徹している。

 こうした活動を通じて築かれたネットワークは、卒業後も生かされている。社会人となった卒業生たちは、長期休暇中に集まり、横浜中華街などで交流を深めるほか、オンラインでも月に一度の会合を実施。現在は業界ごとの「資格取得リスト」を共同で作成する取り組みも進行中だ。

「継続は力なり」──未来へつなぐエビ会の知恵

 エビ会で最も印象深い出来事について尋ねると、海老沼会長は「学生が内定をとれたとき」と語る。学生のエントリーシートを深夜までオンラインで添削したり、奨学金の推薦状を執筆したりと、学生の挑戦を支え続けてきた。

 今後の展望については、「継続していくこと」が最大の挑戦だという。卒業生が企業で得た知識を共有する「エビ長会」と、海老沼会長の知識を次世代へ伝える「エビ会」、両者の役割を大切にしながら、これからも活動を続けていく予定だ。

▲「継続していくこと」が最大の挑戦だと語る経友会・海老沼会長

学生へのメッセージ──縁を結び、世界を広げて

 最後に、海老沼会長から現役学生へのメッセージとして、「出会いと縁を大切にしてほしい」との言葉が寄せられた。同級生や教員、更に卒業生との関係性を築くことで、偏らない情報を得て、自らの進路を主体的に考えてほしいという願いが込められている。

 「エビ会」は、単なる勉強会ではない。実践と経験を通じて、学生たちが自らの未来を切り開くための“道しるべ”であり続けている。

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