2025年5月17日、東京都市大学世田谷キャンパスにて「校友会定期総会」が開催された。総会では2024年度の活動報告や会則改正の承認に加え、2025年度の事業計画・予算案の発表が行われたほか、映画監督の本木克英氏を招いた講演会や懇親会も開かれ、多くの卒業生や関係者が参加した。
校友会の様子
今年度の校友会は、「心からのつながりを誰もが得られる会」をテーマに掲げ、活動のデジタル化や世代を超えた交流の推進に力をいれている。広報誌のデジタルマガジン化やビジネスチャットの導入により、より柔軟な情報共有の仕組みが整いつつある一方、運用への不安の声も一部から上がっており、今後の丁寧なフォローが課題となる。
広報委員会には今年、新たに若手卒業生が加わった。「校友会の存在をもっと知ってもらいたい」という思いから自発的に参加したという卒業生は、「年齢の近いOBたちと関わる中で視野が広がった」と語る。さらに執行部にも30代の委員長が2名就任。「若い人に来てほしいなら、まず任せてみるべき」という姿勢が、組織全体に広がり始めている。

本木克英氏の後援会
総会後に開催された講演会では、『釣りバカ日誌』シリーズや『超高速!参勤交代』などで知られる映画監督の本木克英氏が登壇。「映画作りの現在地」と題し、自身の作品制作の裏話や、時代と向き合う映画人としての苦悩ややりがいを語った。
講演の中で本木監督は、東京都市大学の学生に向けて「身につけている知識や技術は、今後の日本を支える大切な力です。自分の力の価値を自覚し、大切に育て、それを社会で発揮してほしい」とエールを送った。また、土木・理工系分野をはじめとする専門人材の重要性についても言及し、「今、社会が最も必要としている存在です」と語った。また、東京都市大学の学生に向けて、「自分の力と知識の価値を自覚し、大切に育てて、それを社会に生かしてほしい」と、温かいエールを送った。

校友会の今後の展望
校友会会長・皆川氏は、世代交代を含む今後の課題に触れ、「良いことをやろうとして反対されることはない。ただ、なぜ今までやらなかったのかを考えるべき」と語った。あわせて、2029年に創立100周年を迎える東京都市大学に向け、卒業生や教職員の足跡を記録した「アーカイブス整備」にも力を入れていく方針を示した。
今後は、地方支部での在校生との交流イベントや体験活動支援も計画されており、より実感を伴った“つながり”が形になっていくことが期待される。また、校友会の若手参加により更なる発展が期待される。伝統と革新が交差する校友会の歩みに、今後も注目が集まりそうだ。
