東京都市大学海外インターンシップ専門委員会が主催する春期海外インターンシップの申し込み締切日が12月9日に迫った。海外インターンシップを検討してる学生にとって、現地の様子や必要とされる語学力の想像が付きにくく、決め切れていない人がいるであろう。そこで今回、実際に海外インターンシップに参加した学生へ取材を実施した。海外インターンシップへの参加を検討する参考材料として役立てていただきたい。
お話を聴いたのは2019年夏季海外インターンシップに参加した環境創生学科3年の荒島 佑太さんです。
– 本日はよろしくお願いいたします。はじめに、海外インターンシップの行先(国)や仕事内容について教えてください。
荒島さん:8月17日から9月14日、そのうち18日間、フィリピン・ラパスの私立学校へ日本の文化を教えに行きました。期間中は現地の民家にホームステイをして過ごしました。
– 海外での生活や語学力に関して心配はありませんでしたか?
荒島さん:もちろん、ありました!元々、海外での生活や教育に興味を持っていたわけではなかったのですが、就職活動で悩んでいた際にキャリア支援センターに相談したところ、海外インターンシップに参加することを薦められ参加することを決意しました。今までは英語を話す経験も少なく、最初は乗り気になれませんでしたが、まずはチャレンジと、参加を決めました。
実際に行ってみると、難しい英語を使う機会はあまりなく、TOEICの点数が高いかどうかより、むしろ、子どもたちとコミュニケーションを取りたいという姿勢が大事であることが分かりました。
フィリピンタイムって言うんでしょうか、フィリピンの子供たちは時々、授業中に教室から遊びに出て行ってしまうことがあるんですよ。日本との文化の違いを感じました。その為、少しでも興味を持って教室に残ってもらえるよう、一緒に訪問していた日本人学生3人で授業を行いたいと現地の学長先生にお願いし、授業構成を工夫するようにしていきました。パワーポイントを使い、日本語・食べ物・四季・観光スポット・技術を紹介しつつ、生徒からフィリピンとの違いを聞いていく、双方向のコミュニケーションを含んだ授業を行いました。すると徐々に生徒たちが興味を持って話を聞いてくれるようになっていき、最後にはみんなで授業をすることができました!これは達成感があり、大きな自信になっています。
また、ホームステイ先はオーナーが日本人のお家で、奥様も日本語がペラペラ、という環境だったので全く問題なく生活することができました。家に帰れば日本語を話せるのは、気持ちに余裕を持つことができよかったです。
それと、現地には虫が多くいるとのことで、虫が苦手な僕にはそれが気がかりでした。カブトムシも触れなかったので。
行ってみると噂通り、現地ではハエがそこら中に飛んでいて手に止まるのは日常茶飯事。やはり最初は抵抗がありました。とはいえ、1ヵ月もその生活を続けていると慣れてしまうものですね。とはいえ、虫が嫌いな人は地域によってそんな場所があるということを頭に入れていた方が良いかもしれないですね。(笑)
– その他に仕事をするうえで気を付けたことや意識していたことはありますか?
荒島さん:子どもたちの前では、日本人同士であっても英語を使うように努力しました。それでもつい、日本語で話をしてしまうことがありましたが、子どもたちは私たちの会話に常に興味を持っている為、英語で言い直すようにしていました。
– 費用についてもお聞きしたいのですが。
荒島さん:インターン先ごとに違いがあるため詳細についてはキャリア支援センターに問い合わせていただきたいのですが、参加費用の約半分は仕事の成果を認めた奨学金という形で大学からも支援をいただきました。フィリピンは物価も安く、期間中に現地で使ったお金は3万円程度に収まりました。海外インターンに挑戦する場所として学内の機会を利用するのは良い選択だと思います。
– 参加を検討している人に一言お願いします。
荒島さん:正直、英語が苦手な私が海外インターンシップに参加するとは思ってもいませんでした。
しかし、インターンが終わった今はやり切った達成感に溢れていて、自信がつきました。自信は挑戦しないと身につかないものだと思います。ぜひ、みなさんも一歩目を踏み出してみてください。
インターンシップでの海外渡航は留学や旅行と異なり、本格的な職場環境に身をおくことができるため、異文化による壁にぶつかりやすいと言えるかもしれない。多くの人にとっては挑戦の多い期間となるが観光や語学学習以上に自身の視野を大きく広げることができるだろう。自身の経験を話す荒島さんの姿はとても生き生きとしていた。
大学卒業後のキャリアに様々な悩みを抱える学生もいると思うが、少しでも海外インターンシップに興味があるのならば、まずはキャリア支援センターへ相談しに行こう。