国境を越えた仕事を 「海外インターンシップ」が切り拓く新たなキャリアの可能性

国境を越えた仕事を 「海外インターンシップ」が切り拓く新たなキャリアの可能性

2023年12月13日、世田谷キャンパスにて海外インターンシップ成果報告会が行われた。当プログラムは春期・夏期に分かれて各企業に派遣をされ、2023年夏期迄で累計349名の生徒が参加している。

本学部生・院生で海外インターンシップを検討している方は、是非この記事を参考にしていただきたい。


東京都市大学海外インターンシップの概要

当プログラムでは、派遣先の要望や特徴に応じて個別に設定された研修内容が提供され、一カ月程度の期間で行われる。さらに、修了者には単位が与えられ、学生の研修状況は教員によって把握されているため、必要に応じて指導が行われる。

学生が派遣先の要望を理解し、自己の工夫ができるよう、派遣前に関連する知識や海外での安全な業務遂行に必要な事前教育が提供される。また、研修終了時には、学生が研修業務の成果をまとめた英文報告書を作成し、職場にフィードバックすることが求められる。

派遣費用や海外旅行保険に関しては、大学が学生に対して半額程度の奨学金を補助する。さらに、派遣時の疾病や事故に対処するために、大学が学生教育研究災害傷害保険を提供し、派遣学生は、大学が指定した海外旅行保険に加入する。

当プログラムは、学生の成長と安全を最優先に考えた取り組みとして、大きな期待を集めている。


インターンシップアワード2020 文部科学大臣賞受賞

【学生が選ぶキャリアデザインプログラムアワード】は、学生の社会的・職業的自立に貢献したインターンシップやキャリア形成支援に係る取り組みを表彰するイベントとなっている。2020年に開催された第3回目では、全国から361法人482プログラムが応募された。その中で、文部科学大臣賞に輝いたのは、当プログラムである。

引用 https://internship-award.jp/conference2020/

東京都市大学が海外インターンシップで文部科学大臣賞を受賞した背景には、いくつかの決め手があると考える。

まず第一に、そのプログラムの包括性と質の高さが挙げられる。学生の選考から準備、実地でのサポートまで、一貫したサポート体制が整っている。これにより、学生たちは安心して海外での活動に取り組むことが出来る。

また、プログラムの目的や成果が明確に定義されている点も魅力の一つだ。東京都市大学の海外インターンシップは、学生のキャリア形成や国際的な視野の拡大を目指しており、その効果が明らかとなっている。

さらに、地域との連携や社会への貢献度も大きな要因となっている。東京都市大学のプログラムは、地域社会や産業界とのパートナーシップを積極的に構築し、学生が地域や社会に対して実践的な貢献を行う機会を提供している。

これらの要因が組み合わさり、東京都市大学の海外インターンシップが文部科学大臣賞を受賞するに至ったと考察する。


海外インターンシップの教員、新たなる挑戦を語る

私たちは、海外インターンシップの教員に「東京都市大学・海外インターンシップ」についてインタビューを行った。

―日本で当たり前だと思っていることが、実際には当たり前ではないことが多いのでしょうか?

「はい、そうですね。様々な業務をするにあたって、日本で当たり前だと思っていることは全然当たり前ではないので、思うようにいかないことも多いですね。」

―それは具体的にどのようなことでしたか?

「考え方の違い、そういったところ全てが業務の中で起こります。異なる文化・価値観の環境であり、思うように与えられた業務を進められないこともあったかと思います。」

―他国の人々とのコミュニケーションで苦労された経験はありますか?

「はい、向こうの人のメンタリティが異なることで、いい面もあるけれど、日本と違うことで、上手くいかなかったりとかちゃんと伝わることが伝わらなかったりとか、そのコミュニケーションに苦労したと思います。しかし、滞在中にコミュニケーションのレベルが向上していったことが派遣者からの連絡を通じて分かりました。」

―業務でのハードさについて教えてください。

「周りの人に助けてもらう前に自分で動かなくてはいけないことが多いと言っていた方が多かったですね。他者の支援に頼るだけでなく、自分でどうやって気持ちを立て直してその問題の解決をするか。自ら行動して問題解決を目指す姿勢が大切なので、中々大変だと思います。」

―インターンシップの目的は何ですか?

「もしかしたら、学生は何の役にも立たないかもしれない。しかし、ある程度の専門力のある人たちが気が付くこと、学外での社会的経験により、自分が就職するであろう業界・業務形態に必要な専門領域における知識を増やすことが出来ると考えたからです。」


海外インターンシップに挑む派遣者――実践から学ぶ新たな可能性

私たちは、実際に海外インターンシップに参加し、その経験を積んだ方にインタビューを行った。彼らのリアルな視点から、海外インターンシップの価値や意義についてを聞いてみた。

派遣者 理工学部   機械システム工学科  3年 和田 衛

    理工学部   機械システム工学科  3年 木田橋 泉希

    理工学部   機械システム工学科  3年    倉知 響

派遣先 ハーネスメーカー(フィリピン)

業種  ワイヤーハーネス製造

業務概要↓

―まずは海外インターンシップに参加した動機について教えてください。

「はい、実は単純なんです。ただ海外に行ってみたかったし、面白そうだなと思っていたんです。それに友人に誘われたのもありますね。自分がやりたいことができるかどうかも気になっていました。学科に合っているインターンシップ先が見つかったので、自分にぴったりだなと感じました。」

―なるほど。では、実際に海外での経験はどうでしたか?

「実際に製造現場を見たり、英語しか通じない環境に身を置くことが楽しかったです。異なる環境での体験は、目で見て感じることができる貴重な経験でした。特に外国との協働が必要不可欠な自動車産業(製造業)の中での最前線を学ぶことで将来のキャリアに繋げられるのではないかと考えました。」

―それは素晴らしいですね。つまり、フィリピンでの研修と生活、どちらも楽しめたということですね?

「 はい、そうです。両方とも経験できたことは一石二鳥でした。特に現地の人たちと触れ合うことで、彼らの生活や文化を理解できたのは良い経験でした。」

―最後に、何かトラブルや困難はありましたか?

「はい、実はインターンシップの期間中に熱を出してしまったんです。でも、周りの人たちが助けてくれたおかげで、業務を共有できたりすることができました。」


このように、海外インターンシップ参加者は新しい経験を楽しみながら、成長する機会を得ることができたようだ。


海外インターンシップ成果報告会参加者の感想を聞く

新たなる視点や成長の場として注目される海外インターンシップ。その成果を発表するため、東京都市大学では成果報告会が開催された。参加者の一人が、感想を次のように語る。

報告会に参加された方は、皆さん向上心に満ち、日本の学生の質の高さを示すことができたとの印象を受けたそうだ。「海外での経験が、日本の学生の質の高さを示す絶好の機会となりました」と述べられた。

また、彼らは事前の準備や勉強の重要性にも言及していた。目的を持ってインターンシップに臨むことが重要であり、そのためには行先の情報収集や勉強が欠かせないとのことだそうだ。

さらに、今回のインターンシッププログラム全体のレベルの向上にも注目が集まった。特に今年は、2年生の参加が目立った。これは、3年生になると就職に関連したインターンシップを探さなければならないため、学生たちが2年生の春休みにインターンシップに参加しようとする動機が高まったためだと説明がつく。

報告会参加者は、海外インターンシップが学生たちにとって重要な成長の機会であり、早いうちに経験することの価値を強調した。これらの感想からも、海外インターンシップ プログラムの価値と重要性が改めて浮き彫りにされた。

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