2024年6月22日、東京都市大学横浜キャンパスにおいて、学科研究会連合の主催による第4回都市大フェスタが開催された。昨年までの会場であった二子玉川の夢キャンパスが閉鎖されたため、今回は初めて横浜キャンパスでの開催となった。都市大フェスタは、幼稚園年少から中学生までを対象としたイベントで、来場者が東京都市大学の各学科の学びを体験し、学生との交流を楽しむことを目的としている。毎年2回開催されており、今年度中にもう一度実施予定である。
当日は、情報科学科研究会や電気電子通信工学科学生会、自然科学科学生会など計9団体が参加し、6つのプログラムを実施した。イベントは10時からスタートし、各プログラムは40分ごとの入れ替え制で6回行われた。初回の10時から多くの来場者が訪れ、会場は終日賑わっていた。来場者数は82名であり、会場の広さに対して十分な集客があったといえる。会場では軽やかな音楽が流れ、活気ある雰囲気が広がった。
自然科学科 スライムづくり体験
自然科学科が主催した「ぷにぷにスライムを作ろう」ブースでは、年少から中学生まで幅広い年齢層が参加した。特に年少の子どもたちに人気であり、参加者たちは洗濯のりとホウ砂を混ぜ、自分だけのオリジナルスライムを作成した。スライムにラメやインクを加え、好きな色や質感に仕上げることができる点が好評だった。
小さな子どもでも理解しやすいよう、スライムの作り方をひらがなや絵を使って説明した紙を配布するなど、工夫が凝らされていた。保護者も安心して見守り、参加者たちは楽しげに作業を進めた。このような体験を通じて、科学への興味が少しでも芽生えることが期待される。
複数学科共催 ドローン操作体験
電気電子通信工学科学生会、環境経営システム学科学生会、世田谷留学生会が提供したドローン操作体験も多くの子どもたちを魅了した。スマートフォンのアプリを使ってドローンを操縦し、障害物を避けるという内容だ。子どもたちはゲーム感覚でドローンを操作した。飛行物体が自分の指示通りに動く様子に、子どもたちは目を輝かせていた。
この体験では、材料、計測、通信という電気電子通信工学科の学問の3つの柱を体感できる。ドローン自体が軽量であることや、カメラでの画像認識、スマホアプリを介した通信操作などが紹介された。今年の出展は好評だったが、来年に向けてはカメラ機能を使った「謎解き要素」を取り入れるなど、さらに工夫を凝らしていく予定だ。
原子力安全工学科 放射線の不思議を体験
原子力安全工学科の学生たちによる閃源会は、放射線の不思議を体験できるブースを出展した。シンチレーションカウンターを使って実際に放射線を測定する方法や、霧箱を用いた放射線の可視化など、放射線を存在を認知する技術が紹介された。
このブースの目的は、放射線について正しい知識を持ってもらうことである。運営学生は、「放射線は危ないイメージがある。だが、放射線がどういうことに使われているのか知らないままで大人になってほしくない。知識を持って判断してほしい」と語る。計測器具は日本科学技術振興財団から借り受け、コストを抑えた運営を実現した。今回の出展結果については「去年に比べて予約数は減ったが、霧箱を通じて放射線を見てもらうという目的は達成できた」と続けた。閃源会のブースは学生や先生に放射線について聞くことができる穴場だ。都市大フェスタを訪れた際には是非一度足を運ぶことをおすすめする。
イベントの成果と今後の課題
今回の都市大フェスタは、昨年までの夢キャンパスから横浜キャンパスへと開催地を移し、新しい環境での運営となった。学科研究会連合の会長である郷家さんは、「夢キャンパスに比べて広い会場で各ブースを展開できた」と評価する一方、「広報や運営において改善点は多い」と振り返った。参加者数は夢キャンパス時代に比べ減少したものの、新たな場所での挑戦を成功させた点については、一定の評価を得たといえる。
特に今年の会場である横浜キャンパスの学生ホールは、広さが十分にあり、各プログラムが伸び伸びと展開できた。しかし、広報面ではまだまだ課題が残るとし、次回の秋の開催に向けてさらに改善を図る方針だ。
今年度中に再度開催が予定されている都市大フェスタでは、今回の経験を活かし、さらに充実したイベントになるだろう。大学と地域がつながり、子どもたちに科学の楽しさを伝える貴重な場として、今後も発展していくことを期待する。