内閣府総合知ワークショップ【後編】

内閣府総合知ワークショップ【後編】

前編に引き続き、内閣府総合知ワークショップについての様子をお伝えする。

後編では「ひらめきプログラム」「都市生活学部の准教授の研究内容」について取り上げていく。前編は以下のリンクから閲覧することが出来る。

内閣府総合知ワークショップ【前編】: https://tcuprs.com/?p=3914

理想の社会を実現するための科学技術を日本は考えていかなければならない。しかし、社会課題は科学技術の力のみでは解決することができない。そのために、「総合知」が必要不可欠となってくる。


これからの社会に向けた人材育成

文部科学省の「知的集約型社会を支える人材育成事業」は、Society5.0時代に向けて、幅広い教養と深い専門性を兼ね揃えた人材を育成することを目的としている。そして、教育カリキュラムやプログラムを選定し助成するもので、2020年には全国で6大学が採択された。その中には、本学の「ひらめき・こと・もの・ひと」づくりプログラムも含まれている。

現在理工学部7学科で主に世田谷キャンパスを対象にしており、履修人数が年々増加している。

当プログラムは、文理横断をすることを目的としており、「ひらめきプログラム」には「SD PBL」と通じるものを感じる。その理由には、チームを組み、学生主体で持続可能な社会に資する問題発見や課題解決に取り組む教育理念が合致しているからだ。

出典:  https://hirameki.tcu.ac.jp/program/


▼ひらめきプログラムの講演をした杉浦正吾教授に話を伺った。


ーひらめきプログラムの成果や効果についての具体例はありますか。(過去のプログラムの成功例や学生の成長等)

成果は毎年のアンケートでひらめきプログラムでつけたい力の伸び具合を定量的に把握しています。必要であれば、大学側の許可のもとご連絡頂くこともできるかと思います。

また、就活での成功事例も少しずつ入ってきています。

ー他の教育プログラムとの連携は行っていますか。

学内であれば「SDPBL」との親和性は高いです。外部ですと、三井物産「サス学」アカデミーをはじめ、複数のプロジェクトとタイアップ実績があります。

出典:https://www.mitsui.com/jp/ja/sustainability/contribution/education/sasugaku/

ー今回の発表を終えての感想(新しい知見、今後の展望等)を教えて下さい。

ひらめきプログラムは、文部科学省「知識集約型社会を支える人材育成事業」の補助にて実施していますが、「総合知」という概念もほぼ同様だと考えています。

いずれにしても、統合思考のもとに「新しい価値」を創り出すマイナビが高等教育の現場で求められていることは明白です。これからも、「ひらめきプログラム」をベースに、イノベーション創出の担い手を育成できるプログラムへと磨いていくのが使命と考えています。

ー 現在理工学部の学生を主に開催されていますが、今後世田谷キャンパスの他学科や横浜キャンパスの学生への対象を拡大していく方針はございますでしょうか。

来年度以降の全学展開にむけて最適なカリキュラムを検討しています。


また、ひらめきプログラムを履修している学生・加藤さんによる講演も行われ、経験を積んだ4年生による発表も行われた。

杉浦正吾教授による発表

加藤凜香さんによる発表


研究とUDXの調和性

さらに、都市生活学部の末繋雄一准教授の研究内容と総合知の親密性についての発表が行われた。

研究室で取り組んでいる内容は、地域に密接した形であり、都市5.0・Society5.0への最前線となる研究が殆どだ。

本学が提唱するアーバンデジタルトランスフォーメーション(UDX)と合致するものばかりだった。ひらめきプログラム・ことづくり(3)では、共創とアーバンデジタルトランスフォーメーションに関して学び、トリレンマから全体最適解を生み出すことができる素養を身に着けることを目標としている。

UDXにおいてのアプローチとしては、

センシング技術:都市のインフラや環境をリアルタイムで監視し、データを収集する技術。

ビッグデータ解析:収集したデータを分析し、都市の運営や計画に役立てる。

IoT(モノのインターネット):様々なデバイスをネットワークでつなぎ、効率的な都市管理を実現。

AI(人工知能):データ解析や予測モデルを用いて、都市の問題を解決する。

が挙げられる。

末繋雄一准教授による発表


総括

今回の会は『多様な「知」が集い新たな価値を創出する「知の活力」を生むこと』『属する組織の「矩」を超え、専門領域の枠にとらわれない多様な「知」が集うこと』『安心・安全の確保とWell-beingの最大化に向けた未来像を描くだけでなく、科学技術やイノベーション成果の社会実装に向けた具体的な手段も見出し、社会変革をもたらすこと』と内閣府で定義ことを元に行われた。本学は理系総合大学であるが、文理横断をした多様な領域の授業・研究室が兼ね揃えられている。在学中に出来ることがたくさんあるだろう。

高校生の参加者も何名か見え、今回のイベントには興味関心が多方面から寄せられていた。今回のイベントを通して、参加者たちはさまざまな意見交換や情報共有を行い、新たな知見を得るとともに、今後の活動へのモチベーションを高める機会となった。また、高校生たちにとっては、自身の考えを深めると同時に、異なる世代や専門分野の人々との交流を通じて視野を広げる貴重な経験となったことだろう。


SHIBUYA QWS (渋谷キューズ)スクランブルホールにて「真のイノベーション人財を、“公教育” でどう育てるか?」をテーマにしたイベントも本記事とは別イベントであるが関係の深いものとなっている。詳しくは以下のリンクから記事を閲覧することが出来る。

「真のイノベーション人財を、“公教育” でどう育てるか?」 SHIBUYA QWSにて開催 :https://tcuprs.com/?p=3849

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